2016年11月7日月曜日

「盛り上げて笑わせる」と「女の子を魅了する」の違い

立ち飲みBARでは、成果のない日々が続く。
勝ちを記録することは楽しいが、負けを記録することは苦しい。

女の子と20分も盛り上がりながら話して、最後にLINEを断られる。
その女の子は「同僚と待ち合わせる」と言いながら席を離れて、他の男と話している。

このBARで会った男が、俺が捕まえている女の子二人組の間に入ってくる。俺は協力する。
だが俺が逆にその男は、俺には協力しない。

三人組の、あまりモテなさそうな男と、少しだけ話す。「お互い頑張ろう」なんて言いながら。
だけどその男たちは、他の三人組の女の子と話し込んでいた。
俺が近くに立つと、彼らは俺をさんざん話のネタにして笑ってきた。
そして女の子たちも「いま3対3で話してるから!(邪魔だからあっちへ行け)」と言う始末。

このBARの男は信用ならない。女の子を目の前にすると何だってやる。
ある時は協力関係を築けるが、いつの間にか自分の利益のためだけに突っ走っている。
出会いを求めてる男って、確実にそういう傾向がある。いや、全ての男が本質的にはそうなのかもしれない。
俺だって自分で意識していないだけで、たぶん女の子を目の前にして、周りが見えなくなっていたことはたくさんあるだろう。
種を残すということはお友達ごっこじゃない、生存競争なのだ。
遺伝子のレベルで男同士は戦うように出来ている。
だからこの競争に負けないように勝つという心構えが必要だ。

なんとも幸せなことに、人間は1日のゲームに負けたからといって、すぐに死んだりはしない。なんとも優しい世界ではないか。

この日、俺は「テンションが高いだけの男」だった。
高いテンションでいくと、一回一回傷つかないし、自分は楽かもしれないが、この店で女の子を魅了できるスタイルかというと違うっぽい。

だが最近、急速に自分の行動は変わった。
非常に素早く女の子に話しかけられるようになった。
この言い方をよくするが、以前であれば手をこまねいて待っていたり、声をかけても無視されていたところを、1秒で話しかけてちゃんと反応をもらえるようになった。
これもまた、ものすごい進歩だ。

だがその分「こんなに声をかけても成果を得られていない」ということに大きな課題を感じている。
思い返そう。俺は初心者だ。全ては練習であり、これは下積みだ。一番失敗する日は、一番勝利へと近づく日だ。

そして今の俺の課題は、スピーディーに話しかけられるようになったのは良いが、まだまだ女の子からは「他人扱い」っていうことだ。
つまり「話しかける能力」「反応をもらう能力」は伸びたものの、そこから女の子の心を掴むまでには至っていない。
ここで自分の実力を勘違いしてはいけない。目標は雑談を交わすことではなく、女の子の心を魅了することだ。

俺はもっと女心をくすぐって「他人」じゃなくて「ドキドキする奴」にならなければいけない。
この課題を無視して、ただ話し続け「なぜうまくいかないんだろう」「こんなにうまくやっているのに」と思うことも出来るし、女の子を魅了するための行動や話し方を、また1から練習することも出来る。
この店で女の子を魅了している男は、本当に羨ましい。
目がクリクリしたレベルの高い子をつかまえて、二人で彼氏彼女みたいに話し込んでいる奴。
俺もああいう風になりたい。俺もその経験はあるが、再現性が得られていない。再現できるようになりたい。

「俺はいっぱしの男だ」という慢心を打ち砕いて、謙虚にまた階段を登り始める時だ。

最近、路上ナンパの音声をたくさん聞いて「テンション高くまくしたてる」系を目指して話していたけれど、少なくともこの立ち飲みBARでは、もう少しだけ落ち着いた話し方が好まれるように思う。他の男を見ていると、うまくいっているのは「テンション高い系」よりも「大人の話し方をする奴」だ。
俺はこの店でうまくいくには、テンションが高すぎたのかもしれない。
実際、自分自身がうまく行った時は「ごく普通に話しかけた時」だった。

次はもう少しだけ落ち着いて「普通の人」を偽装しながら、なおかつ素早く話しかけてみよう。
あまり変わったことを話す必要はない。女の子を退屈させすぎず、かと言って黙りすぎない。

「ちょうどええ塩梅」を狙ってみよう。
そうだ、分かった。俺は「素早く、テンションを上げて話しかけて反応をもらう」ということに特化しすぎていたことが、改めて認識できた。
これは前に自分自身が作った課題で、それ自体は達成できることが分かった。だから、何も間違いじゃない。自分の目標に到達できている。

だが俺は「話しかけて反応をもらう=恋愛的にうまくいく(ことに近づく)」という図式で、無意識にこの二つを等価に考えていた部分がある。
だがほとんどの男が「今の自分のまま」でうまくいったり、うまくいかなかったりしているところを。
俺は自分のフォームを崩してまで、自分のやり方を変えてまで、たくさんの失敗を重ねている。
このメソッドはおそらく、長期的なゲームの前半戦では弱いが、後半戦では強くなる。
この日だって、ちゃんと反省点を見つけて、それを認識することが出来た。

話は重複するが、たとえば合コンで、さんざん女の子たちを爆笑させて盛り上げても、男としては見られない奴がいるだろう。
俺もいつの間にか、その罠にはまっていた。目指す方向が違うのだ。

「女の子を魅了できる男」。
これを目指すのは果てしない道かもしれないが「笑い」や「素早さ」だけに逃げずに、魅了する力を育てて、成功率を少しでも上げていこう。
笑いというものは恋愛に非常に役立つが、それはあくまでもきっかけ作りや、アクセントに過ぎない。

あと一点。素早く話しかけて失敗を続けるだけでは、学びがすぐに進むとは限らないが、それでも1000人、2000人と話しかけていくうちに、無意識に学習が進み「肩の力が抜ける」可能性が高いっていうことだ。
最初は緊張していて、無意識に力が入っていても、そのうちに本当のリラックスを手に入れらるかもしれない。その境地にたどり着けば、強い。
だから数を重ねるということも、決して無駄な経験にはならない。

ところでこの日は酔い帰りにも、道で女の子ふたりに話しかけたから、ナンパ二日目にして5回の声かけに成功した。
一週間前もナンパに興味はあったものの、自分が本当に実行できるとは思っていなかった。
たとえ今日が失敗だらけでも、努力を続ければ、過去と比べて飛躍的な、自分の行動の違いを得ることができる。成果を焦るな。ひたすら学べ。自分を否定せず努力を褒めろ。

それでは君にも幸運を。


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