立ち飲みBARで会った子と、日を変えて飲みに行った。
自宅の近くのシャレた居酒屋だ。
けれどその店は1時間ぐらいで出て、他のところに行こうという話をした。
そして、自宅の近くのコンビニに行き、二人でお酒を買った。
「ZIMA」と「スミノフ」を持ちながら、俺はそのまま自分の家に入ろうとする。
だが、そこで彼女は戸惑って足を止める。
彼女はかなりの抵抗を見せた。
今までの「やさしい」俺ならば「これは絶対に無理なパターン」と思ってしまうぐらいの、丁重な断り方だ。
だけど俺はここで諦めなかった。
だけど不思議なことに、家の前で10分ほど粘ると、なぜか二人で家に入ることになった。
これは何回か経験している。
女の子に対しては「粘る」ことで状況が変わることがある。
ただやみくもに粘るだけじゃなく、その間には言葉での説得をおこなう。
というよりは、自分が「家に連れて入る」という意思を曲げずに、堂々といていること。
あとは「家に連れ入ることが何も不自然じゃなく、当たり前のこと」だという意識を持ちながら話すことだ。
「え、意識してる?」
「してるよ」
「俺、男友達もよく泊めるし、そんなに意識することないと思うけどね」
「どこか別のところに飲みに行こうよ」
そんなやり取りをずっと続けてみる。これも素晴らしいゲームの一部分だ。
最後の決め手は「10分だけ家で飲もうよ」というセリフだった。
彼女は「玄関にだけ入るね」と言って部屋までついてきた。
この「玄関までなら行く」というセリフを何度か聞いたことがある。
なぜか女の子はこのセリフが好きだ。
そして玄関まで入ったら、もちろんそこで帰るわけはなく、もっと甘い時間を過ごすことになる。
彼女は家に入ってからも20分程の抵抗を見せていた。
「他のBARに行こう」「今日は帰る」と何回も言ったが、俺はそれに動じることはなかった。
女の言葉は「約束」ではなく「状態」を示しているに過ぎないと理解していたからだ。
だが、彼女はどうしてもベッドに座ってくれない。
今日はもう無理かと諦めかけた時、俺は彼女をベッドに誘うのではなく、自分から近づいて彼女を抱きしめることにした。
そしてキスをして、優しくベッドまで運び、当初の目的を達成したのだった。
ここでの反省は「今、彼女が飛び越えられるぐらい、ハードルの低い既成事実」を作ってあげることが重要だということだ。
たとえばいきなりベッドに座るのが無理なら、今回のように、抱きしめてみる。
それが無理ならまずは手を繋いでみる。それが無理なら目を見つめてみる。
彼女が自宅に来たからと言って、安心して手を抜くのではなく、ひとつひとつ段階を踏んで、心をほどいていくことだ。
男はどうしても「家まで来る=エッチできる」と思いがちだが、まだ緊張しながら、自分でも戸惑いながら家に来るパターンもあるわけで、その場合は細くプロセスを分けて、階段をのぼる必要があるんだ。
「諦めない」ということは愚直にひとつの提案を押し付け続けるのではなくて、相手が無理そうならハードルを下げたりして、「この提案ならどう?」という、再提案を繰り返すことだ。
君だってたとえば「要らない」と思っている商品を単にひとつのフレーズで勧められ続けても、うっとうしいと思うだけだろう。
だけどその商品のニーズを多方面にわたってアピールされて、そのうちのひとつがニーズに引っかかり、さらに今日が特別キャンペーン中だったりしたら、商品に興味が湧いて、最後には買ってしまうかもしれない。
女の子に対して重要なのは「再提案」だ。
再提案がうまくなろう。ひとつの道が塞がっていても、他の道は空いているかもしれない。
「何が最適かを考えて、実際にやってみる」というゲームを楽しんでみよう。
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ところでこの日、もうひとつ一番良かったのは「ちゃんと口説いたこと」だと思う。
相手が自分の好みだったから気持ちが入ったというのもあるけれど、決して「今日の戦略」で頭を溺れさせることなく、一瞬一瞬で相手をちゃんと見て、彼女が何を考えているか、どんな状態にあるか、そして、どうすれば彼女の気持ちを掴めるかをずっと考えていられた。
思えば今まで、自分の気持ちがあまり乗らず「口説く」というプロセスを省略してしまった、手を抜いてしまった子に対しては、家まで呼んでも途中で帰ってしまったり、お互いなんとなく盛り上がらないということが多かったように思う。
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